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  • 執筆者の写真教育エジソン

フィットネスの楽しみ


 私はもともと運動が苦手なたちだが、27歳でスイミングスクールに通い、カナヅチを克服して以来、水泳を生涯スポーツとして続けてきた。しかし、それも、6年前の再婚直後までで、4年前に、老いた私の両親と同居生活になってからは、仕事の多忙もあり、習慣がぱったり途絶えてしまった。

妻はスポーツ好きなので、結婚後まもなく駅前のフィットネスクラブに通い始めた。プールもあると誘われて、私も入会したが、週末しか行けず、マシンとプールを両方やると時間もかかるので、どちらも中途半端だった。

 それが、昨年3月、自宅から歩いて数分のところに別のフィットネスジムがオープンした。プールはないが、近いし、料金も格安なので、さっそく妻ともどもそちらに乗換えた。

 ちょうど今の稔ヶ丘高校に赴任して夜間勤務となり、出勤前に時間があるので、週2回は平日の午前中に通い、週末土日のどちらかに行くという、週3回のペースができた。

 ジムに行くと、まず15分間の自転車こぎで心拍数を上げ、ストレッチをしてから、マシントレーニングに取組む。体の筋肉部位別に設計されたマシンで、自分に合った重量の負荷を選び、決めた回数の運動を行なう。ひと通りやれば全身が鍛えられるが、その中から10種類のマシンを選び、毎回続けている。

 負荷をかけて10~15回動かす(アイソトニックトレーニング)。あるいは、負荷に耐えて静止状態を数秒保つ(アイソメトリックトレーニング)。それらの運動を組合わせて行なう。胸の筋肉を鍛えるマシンなどは、腰かけ姿勢だが、前に両腕を突き出す動作は腕立て伏せと同じである。しかし、負荷を自由に変えられるメリットがある。

 私がとりわけ気に入っているのは、ウエストひねりのマシンである。腰かけて、絶叫マシンの安全バーのようなものを肩からかけ、上半身だけを回転させる。気になる腰まわりの脂肪を燃焼させてくれると期待している。

 有料だが、「体内組成測定」もしてくれる。体に電気を流し、コンピュータで解析して、各部位の筋肉と脂肪の割合を数値とビジュアルで見られる。3ヶ月ごとに測定しているが、確実に脂肪が減り、筋肉に変わっている。

 あるとき学校で生徒が私のお腹を触ってきたので、「ギクッ! メタボ検査か?」と冗談で受けたら、「先生、全然メタボじゃないじゃん」と言われ、小躍りするほど嬉しかった。

 筋トレのあとは、ランニングマシンで歩きと走りを交互に組み合わせて15分。続けるうち、息切れせず楽に走れるようになった。

 ベルトの上を走り続ける姿は、輪の中をからから回るネズミを思わせる。しかし、ジムは1階なのでガラス越しに外の風景が見える。そこは桜並木で、花が咲き、緑が茂り、やがて枯れ落ちて……と、四季の風景の中、人々の往来を眺めながら走るのも楽しい。

 そんなわけで、毎回、マシントレーニングだけでも飽きないのだが、クラブ側はさまざまなスタジオプログラムも用意している。妻はそれが好きで、ジャズダンスに始まり、最近はヒップホップにはまっている。私も誘われるが、ダンス系は動きについていけず、楽しむところまで行かない。ヨガや太極拳などもやってはみたが、今ひとつである。

 そんなとき見つけたのが、「ボディパンプ」というプログラム。これは、一人ずつバーベルを持ち、インストラクターの声と音楽に合わせて筋トレをするというもの。これはよかった。リズムに合わせてバーベルを持ち上げ、だんだんつらくなるが、英語の歌が盛り上がり、曲が終わると同時にフィニッシュすると、爽快感がある。最後に静かなバラードが流れる中でストレッチをするのは、最高に気持ちがいい。気持ちがよければ、トレーニング効果は高まるはずで、よく考えられたものだと思う。

 週3回通う習慣になって、既に2年近い。考えてみれば、今まででこれほど筋トレを継続した時期はない。一度でいいから、三段に割れた自分の腹筋を見てみたいものだ。

2009年12月

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