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  • 執筆者の写真教育エジソン

KJ法とOA機器


 私が本格的なKJ法をあまりやらなくなったのは、ワープロを買ったからである。

 KJ法そのものではないが、KJ法を通じて学んだ情報のまとめ方が、ワープロなら簡単に応用できた。つまり、意見や情報を箇条書きにし、全体を眺めながら、KJ法の要領で、共通する志のあるものが近くに来るように並べ直し、見出しをつける、ということをくり返していく。行ごとの移動が簡単にできるという、ワープロの特性がここで生きてくるのである。

 とはいえ、一列に並んでいる文書の形式だから、KJ法の図解のように物事の関係を多元的に把握するのは難しい。が、それでも「混沌をして語らしめる」というKJ法の手法は、かなり生かせる。

 また、KJ法は、時間をかけて図解を作っても、そのあとにまた文章化する作業が必要になるが、ワープロでこうしてまとめれば、まとめがほとんどそのまま文章になってしまう。会議のまとめなど、KJ法図解を書いても職場で奇異の目で見られるだけだが、箇条書きの文書にして配ると感心される。

 こうして私は、ワープロを初めから発想ツールとして活用した。ものを考えるのに、ワープロで書きながら考えるという習慣ができあがっていった。

 ワープロは7年ほど使ったが、それをパソコンMacintoshに買いかえたのは、KJ法の作業が画面上でできるというソフトウエアInspirationを知ったからである。これは、情報を書き込んだ枠をマウスひとつで、KJ法のラベルを扱うように自由に移動でき、枠の形もさまざまに変えられ、図解化が実に簡単にできる。ちなみに、このページの図も、Inspirationを使って作成した。

 また、KJ法では、シールになっているラベルを紙に固定してしまうと、修正が困難だが、これならいくらでも修正がきく。

 ただ難点は、画面が小さいことで、模造紙いっぱいにラベルを散らしてできるKJ法の醍醐味はちょっと味わえない。そのために、何十枚ものラベルをまとめていくような作業はまだしたことがない。将来、大きな液晶モ二ターができたら、思う存分やってみたいものである。

 図解(ダイアグラム画面)からワンタッチで箇条書き(アウトライン画面)に直せるのも、画期的な機能のひとつである。ワープロの箇条書きに慣れた私は、このアウトラインをむしろ活用している。見出しをつけて行を整理していくと、下位のレベルになる行は自動的に行頭が下がったり、字が小さくなったりしていく。階層的な構造をうまく表現する機能が、初めから備わっているのである。

 なお、InspirationはMacintosh専用ソフトであったが、最近Windows版も出たそうである。Macファンとしてはくやしい限りだが、Windowsユーザーには朗報であろう。

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