友を喪って② 倶会一処(くえいっしょ)
NJさんのご焼香に伺ったのは、年が明けた今年の1月2日である。桐生にある妻の実家へ車で向かう途上、妻と小5の息子とともに、寄らせていただいた。北群馬郡榛東(しんとう)村。 NJさんは私より少し若く、独身であったが、何と、ほんの4ヵ月ほど前にお母様を亡くされていた。その悲しみ...
アイデアのひらめく
瞬間が 何より幸せ
アイデアが人の役に
立てば 最高に幸せ
NJさんのご焼香に伺ったのは、年が明けた今年の1月2日である。桐生にある妻の実家へ車で向かう途上、妻と小5の息子とともに、寄らせていただいた。北群馬郡榛東(しんとう)村。 NJさんは私より少し若く、独身であったが、何と、ほんの4ヵ月ほど前にお母様を亡くされていた。その悲しみ...
昨年の9月、かけがえのない友を喪った。 群馬県立N高校の国語教師であった、NJさん。 通勤途上の交通事故で亡くなられたと、彼のお姉様から電話をいただいた。信じられず、そして、切ない気持ちでいっぱいになった。とうとう私たちは、この世でたった一度きりしか会うことができなかったの...
ピア・サポート講座を立ち上げてまもなく、S先生に、臨床心理の話をしてほしいとPTA講演会の依頼があった。しかし、一人で話すよりも……と、S先生が取り計らってくださり、3人で協力して行なうことになった。 当日は、PTA役員のお母さん方を中心に、校長・副校長も含めて20人余りが...
最近、口ひげをはやすようになった。 初めは怪訝な顔をしていた生徒や同僚も、1月もすると、「違和感なくなった」と言う。 始めたのは気まぐれだが、潜在意識的な面で、このひげには重要な意味を感じる。 20数年前、新宿にあるK工業高校の定時制で教員生活のスタートを切った。最初の授業...
以前にも紹介したNLP(神経言語プログラミング)は、ミルトン・エリクソン、フリッツ・パールズら優れた心理療法家の面接技術を観察し、技法化したものと言われる。深い心の働きに即して言語やイメージを使い、心や行動の問題を解決していく技法の体系である。...
手術は完了したが、治療の成果が上がるまでには時間がかかるという。また、完全には直らないということも言われている。 不自由な右手もいつしか日常となり、ふだんの生活で不自由を感じることは少なくなった。パソコンのキーボードも、十本指でほとんど支障なく打てる。しかし、いざというとき...
ハンドギャラリー、手の美術館。埼玉S会病院の片隅に、手を象った彫刻や絵画、調度品を集めた展示コーナーがある。私の手術を執刀してくれたK先生が、手の外科専門医としての想いから、折に触れて集めて来られたものだという。5日間の入院中、毎日一度は下のロビーまで降りて、そのコレクショ...
T区民文化センターのホールは、ほぼ満席だった。区内の4高校が出場し、2試合目。相手は、男女共学の私立高校である。 肯定側の立論。Uさんの書いた立論原稿を、Sくんがゆっくりと読み上げた。「子ども総合省」は子どもに関する諸問題を根本的に解決するため、児童相談所を直轄組織とし、情...
ディベートというものは、今では広く知られている。一つの論題について、肯定側と否定側が決まった手順で論戦を行い、審判が勝敗を決する。ゲームであるから、論題は、「日本は夫婦別姓を制度化すべきである」とか、「シルバーシートは廃止した方がよい」など、白黒がつけがたいもので、自分が割...
暗記ペンの使い方は、本文を問題と答えに分けて読み、問題とそのヒントを残し、答えとなる部分を塗るのが基本的な塗り方である。 しかし、裏技と言うのは、この先である 適切なスモールステップを作っていけば、学習はスムーズに進む。暗記ペンをうまく使うと、そのステップをいくらでも細分化...
高校生がよく使う勉強のツールとして、「暗記ペン」というものがある。たとえば赤色のマーカーで、教科書の重要事項を塗り、セットになっている緑色の透明シートをかぶせると、その部分が黒くなって見えなくなり、暗記学習ができるというものである。ペンとシートの色が逆のセットも売っている。...
「文学入門」という、私が定時制で育んできた定番単元がある。文学を読む姿勢を体験的に理解してもらうための学習である。 まず、生徒は「ことばスケッチ」として、目に見えるものを見たままことばで書く。その際に、「気持ちを書かない」。次の時間に、「ことばスケッチ」作品をいくつか匿名で...
全日制の高校で教えるようになって、とくに受験を控えた3年生の授業を担当するときに、自分の高校時代の勉強法をあれこれ思い出し、生徒に語ることも多くなった。 文学の修業を志し、文学部へ進みたいと志望のはっきりしていた私は、2年の3学期から、本格的な受験勉強を始めた。...
私が相手に求める条件の優先順位第2位は、「子供を受け入れてくれること」だった。 それどころか、子供好きで子供のない彼女は、子供のいる男性を求めていたと言う。既に4度目のデートは子連れだったが、小学校2年の息子は彼女とすぐになじみ、会うのを心待ちにするようになった。...
離婚して5年目。祖父母と同居の父子家庭生活もいつしか日常となったが、私の中で、深く理解・信頼しあえる生涯のパートナーを求める気持ちは、募る一方である。 そんなおり、『今日から一年以内にベストパートナーと結婚する十三の方法』(春秋社)という本に出会った。自分がなぜ結婚したいの...
夜8時。父親5人、母親5人が集まった。1年生の親が6人だった。専任の指導員が2人。私の依頼で、W氏も同席してくれた。K先生が先に発言を求めて、今までの宿泊キャンプの経緯と意義を話した。そのあとで、私は資料を配り、日帰りキャンプ案を説明した。K先生の意見に真っ向から対立する形...
我が家はひとり親家庭なので、小学2年生の息子は学童保育に通っている。 地域の学童保育は、学校ごとに隣接して設けられている。自治体の援助は受けているが、運営は父母の自治的な組織が担う。入ってみてわかったが、公設されている保育園とは違い、学童保育は親たちの積極的な意志に支えられ...
息子は、この4月から小学校2年生。自分の子ども時代と重ね合わせて、その気持ちを考えてあげられる年齢になってきた。 息子との対話の基本は、まず共感。子どもが「見て!」というものはよく見る。なるべく好奇心を共有しようとして、見たものには、自分なりに生き生きと反応する。また、この...
唐突な話で恐縮だが、私の小・中学校時代のあだ名は「パンツ」であった。きわめて日常的に、そう呼ばれていた。何のことはない、苗字が国内最大手のパンメーカーと同じなので、苗字にパンをつけて、「○○パン」と呼ばれていたものが、悪友の思い付きで「ツ」がついただけのことだが、大半の級友...
前にも書いたように、全日制に赴任してから、毎朝の発音発声練習を日課にしている。20分くらいできるとよいが、時間のないときには、5分間やるだけも、声の通り方は全然違ってくる。 定時制でもときどきやっていたことだが、全日制の生徒から、「先生の声は小さくて聞こえない」と言われ、本...