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  • 執筆者の写真教育エジソン

元気の出る校内研修会


 校内研修会は、外部の講師を呼んで刺激のある話を聞くのもいいが、一方で、現場の教員同士が互いの実践を交流し、高めあう研修こそ重要だ。しかし、型にはまった研究授業、研究協議では、今ひとつ元気が出ない。

 そんなとき、吉田新一郎著『効果10倍の〈教える〉技術』(PHP新書)を読んでいて、「批判的な友だち」という研修方法を知った。これは使えると思い、私なりにアレンジを加えて研修委員会に提案したところ、八月末、新学期直前の職員会議の日に実現の運びとなった。

 「私の授業の工夫」についてA4サイズ1枚に簡単にまとめたレポートを、参加者全員があらかじめ書き、4枚コピーしておく。

 5人以内のグループで着席する。レポートを書いて来なかった先生も参加可とするので、書いた人と書いていない人を各グループに均等に割りふる。

(1)司会者が5分ずつ時間を知らせて進行

 〈1クールの流れ〉

   ①発表(5分) レポート内容を説明

   ②いいとこ探し(5分) 

    メンバー全員で、工夫のいいところを見つけて伝える。

   ③応援メッセージ書き(5分) 

    A5カードに発表者への励ましのメッセージを書いて渡す。

    発表者も自分に向けて書く。

(2)メンバー交代

 2クール済んだら、既に発表した2名が立ち上がり、時計回りに隣のグループに移動。新たなグループで、あと2クール続ける。

 研修会後、発表レポートとメッセージカードの縮小コピー提出を求める。集まった原稿をまとめてコピーし、回覧冊子を作る。これを続けると、貴重な実践集が残されていく。

 参加者アンケートを見ると、「教科を越えていろいろな実践を知ることができとても楽しい」、「よい刺激になる」、「もっと他の人の実践を知りたい」、「新学期に向けてやる気が出た」と、うれしいことばが目白押しである。

 しかし、進行役を務めた私は、楽しそうに語り合う各グループを覗きながら、その輪の中に入れない寂しさもあった。そこで、年明けに行なった第二回では、研修委員のS先生に司会をお願いした。前回の準備でも一緒に取り組んでくれ、事後のアンケートをすぐ集計してレポート集に入れてくれた有能な女性なので、安心して任せた。

 私は、国語の毎回の漢字テストで、生徒の自宅学習の意欲を引き出す工夫を、直前の30分で書いて参加した。このレポートは、大袈裟な実践報告書ではなく、ちょっとした工夫を書くのがよいと、前回の皆の様子を見てわかった。参加してみると、仲間が自分の工夫を理解し、応援メッセージを書いてくれるのはとてもうれしい。自分も、同僚の実践を聞いて、いい点をわいわい言い合うのは楽しい。

 シンプルで効果の高い研修方法で、早くも本校の伝統になるだろうとの呼び声が高い。


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