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  • 執筆者の写真教育エジソン

19 私を支える3つの技法① 自律訓練法


 最後は、私の歩みを支えてきた3つの技法について書きたい。

 不登校経験のある生徒たちを見ていると、実は共感する点が多い。私自身、幼い頃から人づきあいや実技教科が苦手で、劣等感と自意識過剰に悩んだ。

 中学時代に読んだ雑誌で、集中力向上や性格改善に効果のあるという「自律訓練法」を知ったとき、「自分が求めていたものだ」と感じた。ドイツの精神科医シュルツの考案で、「腕が重い」で始まる6つのことばを心の中で唱え、その状態を体の中に作り出すことで、段階的に心身を調えていく。

 腕が重い感じは曖昧だったが、すがる思いで練習を続け、少しずつできるようになった。大学時代には関連の本をたくさん読み、自律訓練法を応用したイメージ練習もできるようになった。

 教員になり、最初に勤めた工業高校定時制で、生徒との関係が悪化した。授業もHRも成立しなくなり、心身ともに追い詰められた。校長の配慮で3年での異動が決まった。しかし、今の自分のままではまた同じくり返しだ。そこで、自律訓練法を徹底しよう決めた。早起きして朝食前に30分座る。自律訓練法を導入にしてイメージの世界に入り、仕事や趣味の技能向上や人間関係のイメージトレーニングを行う。さらに回想や空想の風景の中で深層の自分を見つめる。

 ひと月もすると、私の心と体はみるみる回復した。そして、次回述べるような自他への気づきを経て、異動先では「いつもニコニコ、エジソン先生」と言われるほど、ポジティブな教師に変貌した。

 以来、中断もあったが、朝の瞑想習慣は私の在り方を支え続けている。

2012年2月13日

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