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12 キャリア教育③ 職業・上級学校の理解
1年次キャリア教育科目「産業社会と人間」。年間の学習の大きな柱は、職業理解と上級学校理解の単元である。
職業理解では、まず「なぜ働かなければならないか」という本音の疑問に、きちんと答えたい。例えば、人が働くのはお金のためだけか。そこで、コンビニのおにぎりや音楽CDなど、グループで選んだ商品名を模造紙の中央に書き、関わる職業を付箋に書いて貼っていくと、無限の網の目が広がる。私たちの生活は無数の職業人の助け合いで成り立っているのだ。そう実感できたら、職業を通じて世の中で役割を果たし、経済的にも自立することが、大人になることなのだと伝える。
その後の授業では、興味ある職業を調べて交流したり、NHKの番組や職業人の招待講話を通じて、働く人の姿や考えに触れ、将来の生き方のモデルを探して行く。
上級学校理解では、各自の学びたいことを、「できるようになりたい(技術)」と、「知りたい、わかりたい(学問)」とに分けて考え、専門学校は職業技術を身につけ、大学は知ることを追求する場だと理解する。まずは学びたいことを中心に進学の夢を広げ、夢を実現するステップとして、情報収集の方法を知る。そのあとで実際に必要な学費をアルバイト代で試算して額の大きさを実感し、奨学金制度についても理解する。入試について知り、受験準備を考えるのは、それからで遅くない。
こうして、生徒の持つ疑問や反応を想定し、それに応える流れで授業を構成すれば、生徒は能動的に考え、学んでいくものである。
2011年11月28日掲載