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10 キャリア教育① 自他発見から始まる

  • 執筆者の写真: 教育エジソン
    教育エジソン
  • 2011年11月14日
  • 読了時間: 2分

 不登校などの経験を持つ生徒たちに、学びに向う意欲を育むチャレンジスクールの実践。コーピングとともに1年次担任が取組むのは、キャリア教育科目「産業社会と人間(産社)」である。

 チャレンジスクールは総合学科制をとるが、総合学科高校では、必修となる科目。教科書はなく各学校の工夫に任される。学校や地域の実情に合わせて体験学習などを中心に置く実践もあるが、本校では、大半を各教室でできるプログラムとしている。

 年間計画は、自己理解を土台に職業理解、上級学校理解などを積み重ねて将来設計を立てるという、一般的な産社の流れに沿っているが、随所に工夫がある。自己理解の単元は「自他発見」と名づけ、高校生活への大事な導入の意味を持つ。

 第1回は、不登校などを経験しつつも、本校で自分を成長させ、進路を切り開いて行った卒業生たちの体験談を読む。ある新入生は、「今は不安だけど、少しだけ勇気をもらいました」と書いた。

 第2回は、机を端に寄せて広くした教室の四隅に春夏秋冬などの選択肢を貼る。生徒は好みのところに一斉に移動する。好きな動物、大事にしたい価値観など、テーマごとに顔ぶれは変わり、互いの個性の多様さを実感する。また、各自の短所を書いた紙を匿名で回し、長所に言い換えて励ましのことばを書く。ある生徒は、「戻ってきた紙を読んで、クラスの仲間の温かさを感じました」という。

 ここで生徒に贈る産社の合言葉は「みんな違ってみんないい」。違いを認め、受容することから、自他を見つめ、社会に目を向け、将来と今の生き方を考える産社の旅は始まる。

2011年11月14日掲載

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