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6 学習スキル① 四つの学習観

  • 執筆者の写真: 教育エジソン
    教育エジソン
  • 2011年10月10日
  • 読了時間: 2分

更新日:2020年9月26日


 独自科目コーピングのもう半分はコーピング・メソッドタイムで、学習スキルを学ぶ。

 教師の説明を聴いて理解する。ノートを見やすく書く。漢字や英単語を記憶する。試験に向け準備する…。そうした学習のスキルは、日々の学習経験の中で身につく。その経験自体が乏しかった生徒たちに、学習のスキルを教えれば努力が実を結びやすいのではないか。それがメソッドタイムの発想である。

 東京大学の市川伸一教授は、学習効果が上がる条件として4つの学習観を挙げている。

  ①意味理解志向 丸暗記よりも意味を納得しようとする傾向

  ②過程重視 答えだけでなくそこに至るプロセスを重視する傾向

  ③方略志向 もっとよい解き方、やり方はないかと工夫する傾向

  ④失敗柔軟性 間違っても、失敗から学び理解しようとする傾向

 メソッドタイムの第一回では、質問紙に答えて学習観の傾向をグラフで自己診断する。年間のプログラムはこれら四つの学習観を養うことをねらいとしているので、最初の授業で望ましい学習のあり方を伝え、努力の方向性を明確にする。

 生徒の感想を読むと、それぞれ自分の学習観の問題に気づきがある。1年経つとグラフは変化し、平均的には、四傾向とも上昇する。

 実はこの学習観は、教員が自身の授業を評価する物差しにもなる。丸暗記でなくわかる喜びを教えているか。答が言えても、なぜ?と過程を問うているか。生徒自身の工夫を活かしているか。間違った生徒がそこから学ぶよう支援しているか…。いずれも耳が痛い。

2011年10月10日掲載

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