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教育エジソン
5 人間関係スキル④ 心身の緊張を解く
人間関係スキルを学ぶコーピング・リレーションタイム。3本柱の最後は「情動」単元。リラックス法である。
①呼吸法 呼吸を深くし、心を静める。
②弛緩法 体の各部に力を入れ、抜くことで心身の緊張を解く。
③イメージ法 目を閉じて心安らぐ風景を思い浮かべ、体感する。
これらを毎時間1つ段階的に体験させ、中から自分に合う方法を習慣化しようと促す。
この授業を最初に実施した年度、先生方の評価は散々だった。取り組まない生徒が多く、体験を誘導することばを読むのも、不慣れで負担だったようだ。
しかし、生徒たちの体験記を読むと、授業中はやらず家に帰ってやってみたという生徒も少なくない。ある生徒は休まず登校し、毎日笑顔で過ごしていたが、実は家へ帰るとへとへとに疲れていた。家で呼吸法を習慣にしたら、疲れが減ってきたと言う。心身の緊張に悩み、それを解消する方法を求める生徒の潜在的ニーズは、決して低くなかった。
そこで2年目には、指示のことばを吹き込んだCDを作成した。先生方の負担が減り、スムーズに授業が実施できるようになった。
心身の緊張は、私たちがこう行動したい、という思いにブレーキをかける。自分で心身をリラックスさせる習慣が身につけば、ありのまま自分らしく生き、かつ周囲に気を配る余裕もできる。人間関係スキル改善の鍵は、実はここにあった。
今回まで紹介してきたリレーションタイムの教材は、『人間関係スキルアップ・ワークシート』として書籍化されているので、興味のある方は参照されたい。
2011年10月3日掲載