検索
教育エジソン
4 人間関係スキル③ 主張し理解しあう
人間関係スキルを学ぶコーピング・リレーションタイム。「行動」単元の後半は「アサーション」で、適切な自己主張を意味する。
例えば、今朝買ってきたばかりで楽しみに読んでいた雑誌を、友達から「貸して」と言われた。今読んでいるのだから貸したくない。どうするか。
「いいよ」と貸すのは自分の本意ではない。しかし「嫌だよ」と拒否すれば、相手は怒るかもしれない。互いに欲求を持つ人間同士、こうした利害の対立は避けられない。だからこそ話し合い、互いに納得の行く道を探していくことが大切だ。そのためには、どう言えばよいか。
〈アサーションの形〉 〈具体例〉
①事実に基づいて ①買ったばかりで
②意思を伝え ②今読みたいんだ。
③提案を出す。 ③昼休みならどう?
この形通りにやっているうちに考え方が身につき、場面に応じた工夫も生まれる。
ある男子は思い切って自己主張してみて初めて、案外気持ちは通じるものだと驚いたという。また別の女子生徒は、親友との仲たがいの危機を、アサーションを使って乗り越えたと書いている。
むろん実際の会話は、言いっぱなしで終わりではない。言ったことに対して相手が反応し、相互のやり取りが続く。その時こそ、①事実に基づいて、②意思を伝え、③提案していくという原則が役立つ。
自分も相手も敗者にはしない。双方の考えを尊重し、互いに納得するまで誠実に話しあう。それを実現するための原理が、この形には凝縮されている。
2011年9月19日掲載