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教育エジソン
2 人間関係スキル① 人との出来事を柔軟に考える
人間関係スキルを学ぶコーピング・リレーションタイムは、W大学の臨床心理学研究室との共同開発で、認知行動療法の考え方をベースにしている。
しかし、人間関係スキルとは何か。例えば、明るく挨拶する。人の話は素直に聞く。相手の気持ちを考えて話す。――そうした行動のしかたが重要であることは、誰でも知っている。問題は、「知っていてもできない」ということである。できないのは、それを邪魔する心のメカニズムがあるからだと考え、この科目では人間関係場面での気持ちの扱いに重点を置く。
年間学習単元の3本柱は、①認知、②行動、③情動である。「認知」単元では、考え方を柔軟にして、人間関係の中でもっとリラックスし、自由になれるようにする。
例えば、憧れの先輩にメールを送った女の子が、なかなか返信がないので「嫌われた」と思い、悲しくなったというエピソードを考える。
悲しみの原因は、実は返信がないことより、その事実を「嫌われた」と認知したことにある。そこで生徒たちはグループになり、返信がない理由をあれこれ出し合う。塾で勉強中かも、お風呂かも、携帯を落としたのかも……。
ある生徒はこの女の子と自分を重ねてこう書いている。「みんなでわいわい意見を出し合ううちに、自分の思い込みがほぐれ、気持ちが楽になるのがわかりました」。
これは単純なプラス思考の勧めではない。決めつけをやめ柔軟な考えができれば、心は落ち着き、冷静に対処できる。その方法に気づかせたい。
2011年9月12日掲載